飲食業という仕事は?
色んな業界が存在する中で、飲食業界は「3K」と呼ばれています。汚い・キツイ・危険です。実際25年間勤務してみて、うなずける事はたくさんありました。
油汚れの厨房や生ゴミなどの処理、厨房や客席のメンテナンス、人員不足による労働環境・・・上げればキリがありません。
でも今現在、飲食店の数はかなり多いです。それは商売を始めるには、どの業界よりもハードルが低いからです。しかも基本現金商売。顧客との取引で、すぐに現金化出来る魅力のある業種です。また「衣食住」で人間は毎日3食の食事をとります。少し考えただけでも、需要がかなり多いことが分かります。
私が考える飲食業の面白さは、ずばり「人」です。今日はどんな人に会えるか?どれだけの人が自分を受け入れてくれるか?が楽しみでした。自分を信頼して、自分に注文し、自分の手から商品を渡し、自分と代金のやり取りをする。いわばビジネスの基本の工程が、誰でも体験出来る職種です。また飲食はすぐに結果が出ます。美味しかった!店がキレイね!もう少し温かい方が良い。◯◯を使った商品が食べたい!など、お客様の口からすぐにフィードバックを頂けるのも、飲食店の利点です。
すぐに結果を出したい私の性格には合った商売が飲食業でした。
飲食業はブラック?
ブラックかホワイトか?
これは個々の価値観だと思います。
確かに「労働基準法」に定められている労働環境を守るのは困難です。私の働き方をみていた人達は「訴える事出来るレベルだよ?」なんて助言してくれる人も多かったです。
でも私はブラックだとは思いませんでした。だって楽しいんですもん。
立場が店長だから、そう感じたのかもしれません。でも店の仕事が楽しいと思ってくれるように、スタッフ達にも私の考えを共有していました。ただ売るのではなく、一つずつのプロセスを楽しもうよ!と問いかけていました。
他にはゲーム感覚で仕事にチャレンジしてました。勤務中 同時に複数のトラブルが発生し、キャパオーバーになる事は日常茶飯事。その中でスムーズに解決出来ると、もの凄い達成感があり自分がレベルアップしたような気持ちになります。(この時必ず自分の頭の中は、ドラクエのレベルアップ音が流れます 笑)
何事にも向き不向きがあります。大多数の人が「楽しい」は、全員が合致する意見ではなく「楽しいと感じる人が多い」でしかありません。仕事内容も同様で「みんながキツい」から、自分に当てはまるかどうかは自分で決める事です。結局、私は食を通して人が好きなんだと思います。
でなきゃ25年も飲食業界で勤められないですよね!
日本の文化の中に「相手を思いやる、察する」という習慣があります。相手の立場になった時に自分なら、どう扱われたいか?どうしたら喜ぶかな?を考える能力が、生まれながらにして長けているのだと思います。世界の中でも日本の「サービス」はトップレベルです。多くの外国の方から定評があります。
「向き不向き」は人それぞれですが、「ほとんどの人が高いレベルで出来る」と思います。
以上、私の見解です。