店長とは?
店にいる店長とスタッフの違いって何でしょうか?責任を取ることでしょうか?でも責任を取るのは社長の仕事で、店長の仕事ではありません。では、何が出来れば店長なのでしょうか?
店長ってどんな仕事?
飲食店の店長を幾つか経験した率直な感想です。ずばり一言「覚悟」です。
確かに「オペレーションスキル」や「責任」、「統率力がある」など求められる事は多いですが、大抵は覚悟が決まっていれば大丈夫。「自分は店長になる!」と、腹さえ決まれば大抵の事はやってのけます。
私は店での、あらゆる仕事が1番でなきゃダメ!とは思いませんでした。接客の上手な子、調理の上手な子、掃除が得意な店長ってなんでしょうか子、それぞれ店のスタッフの中で1番のスタッフを選び、そのスタッフを中心に運営をしていけば、後は私がリアルタイムでコントロールすれば良い。と考えていました。
その為に、スタッフ全員と個々にコミュニケーションもとっていました。
名前や年齢はもちろん、家族構成や学校、好きな事など些細な事も聞き出してインプットしていました。私は面接で聞き出した情報も覚えている事が多く、後々に役立つ事も多かったと思います。
でも、これは私のやり方。みんなそれぞれに自分のやり方を確立させれば良いと思ってます。要はスタッフに「ボス」と認識させれば良いのです。
店長のやりがい
正直、分かりません。物理的に言えば評価に対する給料だったり、知名度でしょうか。人に話せば「店長なの?すごい!」とか「そんなにもらえるの?」とかです。後、他人への信頼度も上がります。〇〇店の店長と肩書があれば、私を知らない人も「こんな人かな?」と連想し信頼してくれます。
でも、その立場を守るのはなかなか大変。常に自分との戦いです。
現役時代、私は自分のモチベーションを保つのに必死でした。誰も褒めてはくれませんからね。私のモチベーションを保つ方法は目的と目標を明確にすることでした。
STEP1 小さい目標を立てて達成させる→達成させると自信になる。
STEP2 もう少し大きい目標を立てる→出来なければ考えて工夫する→達成させれば更に自信になる。
STEP3 失敗を想定して幾つかのプランを立てる→早く達成が出来て大きな自信になる。
この繰り返しでした。気がつけばかなりの自信に繋がり無敵になる!こんな感じでした。
初めは何事も必死です。それこそ店長の名札を付けて店に立つ、スタッフから「店長!」と呼ばれて聞き慣れない呼ばれ方に反応する事すら必死でした 笑
でも、スタッフやお客様から「店長」と呼ばれて対応し最後に「ありがとう」と感謝されると私も嬉しい!そんな些細な事の積み重ねが「店長のやりがい」だったかもしれません。
店長の仕事は「庶務」
私は現役時代、店長の仕事って庶務だな・・・と思っていました。スタッフ要望、大家さんの要望、お客様の要望、これらの要望を満たす為に行動するスタッフ。みたいに感じていました。でもこれで皆が笑顔になるなら、それもあり!のスタイルで考えていました。私一人では店は運営出来ないし、皆の協力がなければいい店にはならないからです。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」立場が上に立つほど謙虚な姿勢で無くてはならない
立場が上になったからと言って、胡座をかいていてはダメ!誰よりも低姿勢で経緯を払わなければ下は付いて来ない。指示を出すときも命令ではなく依頼する。良い仕事をした時は褒めたり感謝する。最前線で働いているのは、自分ではなくスタッフの皆。そんな風に考えると、自分は雑用係でも良いかな?なんて思えます。そんな雰囲気の方が、円滑にチームを築く事が出来ます。
アルバイトの採用基準
面接をする側も受ける側も「採用基準って何?」と思うかもしれません。各店の店長が判断することですが、私の基準は「面接を受けに来た子は、今いるスタッフと仲良く出来るかな?」でした。正直30分程度の面接で、仕事を覚えるか?とか長期で働けるか?なんて分かりません。ましてや面接に来た子は不安と緊張で一杯なはずです。その状態で難しい話を聞いても「素の自分」を出してはくれません。だから私はワザと敬語を使わなかったり、必ず答えられる質問をしていました。
例えば・・・
「部活は何をやっていたの?」「幼い頃習い事はしてた?」「それらを続けて良かった事は何?」
正直に話しているかどうかは、表情や目を見れば分かるものです。また何も分からない私に一生懸命 説明している姿は、きっと店に立った時にお客様の目に映るものです。その様子で採否を判断していました。
後は自分の勘です 笑
昔の上司に「人手不足の時ほど採用基準を上げなければならない」と教わりました。確かにその通りだと思いました。手が足りないという事は、教え方も少し粗くなります。当然、そんな状態が続けば新人スタッフは「自分には向いていない」とか「仕事がつまらない」と、感じやすいです。そんな状態でも付いてくるスタッフを選ばなくてはいけない為、面接で少しでも不安要素があれば不採用にしていました。
人件費とのバランスもあるから難しい判断ではありますけどね。
私の考える「店長」
店に入って、店内の雰囲気の第一印象でほぼ決まります。店は清潔か?スタッフは笑顔で働いているのか?そもそも「雰囲気の温度」は心地良いものか?
第一印象が良ければ、大抵はOK!です。逆を言えば、第一印象が悪ければ二度とその店を利用することは無いです。恐らく多くのお客様がそう判断していると思っています。
だから私は自分がお客様の立場になって、店の雰囲気を良くしていく事に尽くして行きました。これが私が考える「店長の仕事」です。結果、コロナ禍でも売上は毎月 前年比93%以上は獲得していました。これが私のやり切った「結果」です。