我が家は2019年に新築に建替えました。このブログを書いているのが2023年ですので4年前になります。その時の奮闘記です。
2018年8月 解体工事
旧 我が家に乾杯!
築60年、私自身は46年間 苦楽を共にし、お世話になった我が家の最後です。それまで解体にあまり感情は無かったものの、いざ始まると感慨深いものがあります。他界した父の部屋、皆で卓を囲んだ台所、兄弟喧嘩で出来た壁の穴。全てが愛おしく私達を育ててくれた我が家。母や兄もそれぞれの思いがあります。
「お疲れ様 今までありがとう!」
今でも話しに出ることが親父殿の話です。頑固一徹な父。もし父が生きていたら、自分の子供が建てた家に住めるか!と頑固反対してたよね。と、話をします。実は母も、そんな父の性格を知っていたから今回の建替えを最後まで反対していました。
「家の建替えは私が死んでからにして!勝手に決めるな!」
よく母が口にしていた言葉です。
でも母も年です。そして家も老朽しています。今まで私達の生活を支えてくれた家。十分に役目を果たしたと思うから、これ以上 この家を酷使するのは可哀想だよ。と、母親を説得しました。
ダイナミックな解体
思い込みだったのですが、10日位かけて解体するのかと思ったら4日で解体。6日目には更地になってました。気持ちいいほどショベルカーで壊してくれました 笑
特に東京は家と家が密集しているので、ホコリが舞ったり、騒音や揺れを防ぐ為に少しずつ解体するのが主流の様ですが、我が家を担当した解体屋さんは地方の方でダイナミックな解体な方法でした。
解体から3日目、兄から「表札は残した方が良いんじゃない?」と提案されました。私はあんな豪快に解体しているのに、表札だけ取り除くのは無理なんじゃないかな?と思っていました。と言うのも我が家の表札は、石の門構えで表札が埋め込まれていたからです。しかも表札は陶器で出来ており、上手く取り除くのは難しいと素人でも分かるからです。
業者さんに相談をした所「もしかしたら割れちゃうかもしれませんが、何とかやってみます」と丁寧に作業を進めてくれて無事に表札が残せました。
ほぼ無理!と思っていた私は、急な依頼にも答えてくれて上に、綺麗に残してくれた事に感動しました。最初は「表札なんか残したって使わないからいらないじゃん」と思っていましたが、旧我が家の形見?一部が残るだけでも気持ちが変わります。思い出を残せて良かったと感じています。
毎日、仕事前に解体様子を見ていたのですが、日に日に新築に対しての腹がくくれました。もう後には引けない。「建替え、やっぱやーめた!」なんて言えない。最後まで何が何でもやり通さないと!と再度気を引き締めた事を覚えています。
神 出現!
「土地の半分を売却して新築費用にあてる」
簡単に予定は立てましたが、果たして本当に買い手は見つかるの?と、いうのが私達家族の疑問と懸念でした。買い手が見つからなければ、かなり費用面での計算が狂ってしまいます。
解体作業は無事に終了し、更地になりました。綺麗になった土地は寂しさと期待が入り交ざった複雑な感覚でした。まだまだ決める事や、やる事はたくさんあります。土地の売却は建築会社の担当者に任せて、私はやるべき事をやらなきゃ!と思っていた所に担当者から電話がありました。
「土地を買いたいと申し出てきた方がいらっしゃいます。」
マジで?もう見つかったの?と喜んだのですが、そう簡単には行きません。その内容は割愛しますが、不動産の売買は少し特殊で私にはハードルが高いものでした。が、今まで大人しかった母がいきなり覚醒し見事に交渉成立。円満に取引が完了したのです。
「うちの母ちゃん、いつもは死んだふりしているクセに、突然覚醒するからビックリするよな」
と、長男の一言。ホントにその通りで笑ってしまいました。駆け引きは難易度が高い。私には出来ない技です。
そして地鎮祭を迎える事が出来ました。
2018年10月 地鎮祭
10月某日 季節も秋になり朝晩が肌寒く感じる中、地鎮祭の予定日の天気予報が「にわか雨」。嫌な予感です。
当日。怪しい雲行きの中 地鎮祭が始まりました。氏神である神主さんに来てもらい、もうすぐ終わると思った頃、なにか空からパラリと降ってきました。幸いにも本降りになる事はなく被害はなっかたのですが、この雨は序章に過ぎません。実は私は最強の雨女です。ネタバレですが建前も新居への引っ越しも雨でした。
今では地鎮祭をやらない方も多いと聞いていましたが、業界では験(げん)を担ぐ大工さんも多く、地鎮祭をやったかどうかを気にする職人さんも多いようです。私もその口で多くの人が我が家の家造りに協力してくれるので、安全に作業を進めてほしいと考えます。
また同時に地盤調査も行っていたのですが、我が家の地盤は緩く地盤強化の工事が必要。その後に基礎工事の流れになりました。建前まではまだ先のようです。
内装 打ち合わせ
同じ頃、内装を決める打ち合わせを行っていました。全部で6回。え?6回も何を話すの?そんなに広い豪邸を建てる訳でもないのに?と聞いたら、これが注文住宅の醍醐味です。と言われました。1回約2時間、計12時間。そんなに必要かと聞いたら、多くのご家族はそれ以上の時間を必要としていますよ。マジで?兄と2人で頭を抱えました。そんなに決める事あんの?
壁紙1つとってもあのサンプルの数!考えてるうちに訳が分からなくなります。我が家は3世帯で建替えるので、それぞれのテリトリーはそれぞれで決めました。母は「良きにはからえ」なんて、どっかの殿様みたいな事を言ってるし。結局母の部屋は兄と2人で決めたのですが、正直何を選んだかはサッパリ覚えてません。良いか悪いかも分かりません。出来てからのお楽しみです。
私達は必死で打ち合わせに臨んでましたが、打ち合わせ最終日 設計士さんに「こんなにサクサク進めて短時間に終わったのは初めて!」と言われました。
新築を注文する人達はタフだなぁ・・・と痛感しました。打ち合わせをし過ぎて、何をどう決めたのなんてサッパリ覚えていません。違う素材が使われていても多分気づかない自信があります!
ホントにエネルギーを使う期間でした。