店長の部屋

売上を伸ばす為に②

私が飲食店のグランドオープンから軌道に乗せるまでの奮闘記です。「売上を伸ばす為に①」も是非ご覧ください!

私自身の考え方を変える

「お客様をお店に招待する」と言うより「私の家に招待する」に感覚を変えました。

自分が知人を家に招く時は、掃除や見た目を気にしますし、空調や照明の色も気にします。もしかすると、その為に何か用意をするかもしれません。その感覚を店にも取り入れました。題して「カモナ マイハウス」です。

目一杯に気取るのではなく、暇なら寄っていきな!の下町感溢れる店づくりに着目しました。「いらっしゃいませ」ではなく「こんちは!」 「ありがとうございました」ではなく「また明日!」の様にいい意味で気楽な店。ホッと気が抜ける店づくりに方向転換しました。それまではマニュアルであったり、礼儀正しい接客であったりとカッコよさに焦点を置いてましたが、店舗の立地的に親しみやすい店の方がお客様が出入りし易いと思ったのです。もちろん中には礼儀正しい接客を求める方もいます。だから一見さんにはマニュアル通りに、何度か拝見した事のある方には気さくに会話をしました。目に見えない距離感ですが相手の表情や声のトーンで察して距離を縮めていきました。

察しの良いスタッフは私のやり方を見て、ドンドン真似ていきました。その内にスタッフとお客様の間に笑いもこぼれる様になりとてもいい傾向。暖かい雰囲気の店に仕上がっていきました。

2月・8月は商売の鬼門

何とか2月の鬼門を潜り抜け、年度末の3月 年度初めの4月 GWの5月と右肩上がりの売り上げを獲得して行きました。そして調子に乗り始めた6月。またぶち当たります。梅雨です。

その店は自転車で利用するお客様が多く雨に弱い店でした。逆を言うと天気予報で「晴れ」と言っていたのに夕立や突然の豪雨には強く、うれしい予定外もありました。が、朝からハッキリしない天気はダメダメです。そこで取り組んだのが「掃除」です。営業中なので客席は手を付けられませんが、厨房内や事務所などお客様の目が届かない場所の掃除をしました。

店が暇でスッタフに気持ちが緩んだ状態が続くと、お客様が来店してもダラッと対応してしまうので何か仕事を与えました。店の出入り口や客席に目配りしながら別の仕事してもらう。これでスタッフのエンジンが切れる事はありません。もちろん掃除をしてくれたスタッフには褒めました。「すごい綺麗になったね!ありがとう!」と少し興奮気味に褒めました。なぜなら掃除をして綺麗になった場所は気づかれ難いのです。仕事とは言えせっかく綺麗にしてくれたスッタフは喜びも達成感も無いままではモチベーション低下に繋がります。些細なことでも良い行動をしたスタッフは褒めました。

そしてスタッフのギアをトップに入れる7月。私的にはエンストを起こさずスムーズにギアチェンジ出来たと思います。鬼門の8月は売上予算125%でした。全然鬼門ではありませんでした。125%の要因は、この夏もの凄く暑かった・雨の日が少なかった・スタッフのモチベーションが高かった、の3点だと思います。

このまま勢いに乗って9月、10月を迎え1周年記念や2度目の年末年始の準備に追われて行く毎日でした。

更に売上を獲るために!

売上=客数×客単価

絶対の方程式です。軌道に乗る前は「客数」、ある程度お馴染みさんが出来ると「客単価」に目を向けがちですが私は常に「客数」に拘りました。幸いにも当店は大手チェーン店で、客単価を伸ばす戦略は本部が考えてくれます。客数を伸ばすのは店舗の仕事です。一見さんが入りやすい店を私は考えていました。

例えば・・・

当店には壁がありませんでした。オープンカフェの様な造りで館と一体感のある店だったので店の前を歩いている常連さんに挨拶がしやすい環境でした。常連さんは必ず客席を覗きます。すかさず私が笑顔で「こんにちは!」と声を掛けます。ほぼ店に入って来ます。

少し慣れてくると私が歩いている常連さんに手を振ります。常連さんは笑って手を振り返してくれます。

更に慣れると常連さんから「店長~!」と呼びながら手を振ってくれます 笑

礼儀正しい接客は皆無です 笑

そのやり取りを見ている別のお客様が店に興味を持ってくれます。立ち止まってメニューを見たり、店内の雰囲気を見たり。その時にスタッフが「いらっしゃいませ」と声を掛ければ、大抵店に入って来てくれます。

お客様の目に留まる努力をしないといけません。毎日通っている道でも目的が無い場所は覚えません。風景でしか見えてません。気づいてもらう為には「動き」が必要です。だから常連さんに声を掛けたり手を振ることで、店に気づいてもらう行動を起こしました。常連さんは「親しみ感」があり、知らないお客様には「興味を持つ」の一石二鳥の効果があります。

またお客様は店選びで失敗したくないのです。価格の問題では無く「自分にとって居心地はどうか?」とか「定員さんの対応はどうか?」など、お客様の主観の話で店の良し悪しを決めます。「入ってみよう」と思うまで少し時間が要します。「自分がお客様の立場ならどんな店を選ぶ?」の工夫が必要です。

「店の商圏×私のキャラクター」これは私の強みを最大限に使った方法です。自分の強みを生かす事が成功のカギ!

2年目からは昨年対比

今までは本社が見積もった予算を追いかけて日々の売上向上に努めていましたが、2年目からは去年の売上げに対してどうだったか?になります。グラフで見た時に毎月のデコボコはあっても一年を通して売上を見ると、6年連続でプラスに転じて右肩上がりのグラフを構築していきました。コンプライアンス的に具体的な数字は出せませんが、チェーン展開をしている当社では本部が驚く売上で、他オーナー様もお忍びで来店したと聞いています。

7年目に入った時に競合店の出店や消費税などの大きな壁に伸び悩み、昨対比はトントンか少しヘコミが生じました。とは言っても負ける訳にはいきません。悩みながら突き進んで行きました。そして10年目でコロナ感染拡大です。大きな影響を受けた飲食店がほとんどだと思います。そんな時オーナーが常々 口にしていた2つの言葉を思い出しました。

商いなんだから飽きちゃダメなんだよ

本部全社の店の平均売上が昨対比80%に対し、当店は92%以上を維持していました。これは私の力ではなくスタッフの頑張りだと思います。緊急事態宣言1回目の時に店舗ミーティングを実施したのですが、全員参加でみんなの発言を聞いてモチベーションを感じました。時短営業や客席の間引きもやっての結果です。大健闘だと自負しています。

お金を追いかけるな!追いかけさせろ!

今でも正しい意味は確かめていないので分かりませんが、お金を落としてくれるお客様を追いかけるのではなく、お客様に追いかけさせる。つまり魅力ある店舗にして魅力あるスタッフの育成が、お客様に追いかけられる事なのかな?と解釈しました。またこうも言ってました。「?のつく人には魅力を感じる」つまり「この人の好きな事は何だろう?」とか「この人が今夢中になっている事は何だろう?」とか。発展すれば「この人と仲良くなりたい」「もっと知りたい」になると追いかけて来るようになるんでしょうね。程々にしないとストーカーの危険もありそうですが・・

 

結局私は10年でリタイアしましたが、本気で打ち込んだ10年間でした。そして商売がより好きになりました。これから商売を始める方も、これから店長になる方も、この記事が少しでも役に立てば嬉しいです!

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satchon
当ブログにご訪問頂きありがとうございます。 自由に生きたい!本気で切実に願うアラフィフオンナ(^‐^)vです。 25年間 大手飲食店で勤務してきた経験や、日常の些細な事を気ままに語る雑記ブログです。

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