長谷寺から望める由比ヶ浜
坂東三十三観音霊場の札所巡りをスタートしました。
坂東観音は関東各地に33カ所の霊場が点在していて、時期や順番は自由に選んで周れます。ネットや本を読んでみた結果、一番札所を発願として三十三番札所で結願しようと思いました。
今回は発願として、一番札所から四番札所(神奈川県)を巡礼しました!向かった順番に投稿します。
第1番 大蔵山 杉本寺
鎌倉駅から徒歩15分位の場所に位置しています。
鎌倉駅を出て小町通りを通って杉本寺に向かいました。久しぶりの鎌倉でテンションが爆上がり!小町通りも平日なのに大変賑わっていました。スイーツやおしゃれな雑貨屋さんがたくさん並んでいて誘惑がいっぱい!キョロキョロしながら歩いていたら、曲がりたい角を大分行き過ぎてしまいました。本来の目的を思い出して、杉本寺に向かいました。
鎌倉最古のお寺で、参道入り口から続く急な石段が苔でびっしり。現在はその苔の保護の為か、あるいは階段の減りが原因で安全の観点からなのか、立ち入り禁止区域となっていて隣に上りやすい階段が設けられています。
苔の階段の上に仁王様の山門があり更に階段が続きます。何段かは数えていませんが、なかなか登り応えのある歓談でした。登り切ると大きな茅葺屋根の境内が見えます。この階段で令和から鎌倉時代にタイムスリップでもしたかのような風景に圧巻でした。
発願のお寺でもあるので、御朱印帖と御朱印を境内の受付でお願いします。書いて頂いている間、本堂の観音さまへと促されて靴を脱ぎ参拝させて頂きました。
源頼朝公より寄進された十一面観音さまの前で手を合わせた後、涙が溢れてきました。毎回ではありませんが、特定のお寺で参拝すると涙が出る現象が起きます。杉本寺の観音さまでもその現象が起きました。決して嫌な物ではなく只々溢れて来て、参拝が終わるとスッキリし爽やかな気分になります。
本堂には観音さまの他に毘沙門天さまや不動明王さまが祀られえており、11体の仏様がいらっしゃいました。本堂の中を一周して受付に戻ると、御朱印が完成しており境内を出ました。
鎌倉最古のお寺、茅葺屋根、苔の階段と、これからも残して頂きたいと切に思うお寺でした。
鎌倉の大仏様も良いですが、このお寺も立ち寄る価値は大です!
第3番 祇園山 安養院 田代寺(田代観音)
次の向かったのは三番札所の安養院です。
iPhoneのマップで調べると杉本寺から約15分程の所に位置しており、道案内に従って向かった先には「この先侵入禁止」の立て看板!どうやら土砂崩れがあったようで、まだ整備がされておらず通行止めになっていた様です。道理で引き返してくる車が多いなぁ・・・と思いました。
仕方なくGoogle mapで検索した所、鎌倉駅経由の経路で約20分。グーグル先生に従いました。散策をかねて安養院を目指していましたが、鎌倉は本当にお寺が多いなぁと言う印象でした。まさに「犬も歩けば棒に当たる」です。鎌倉三十三観音札所がある事が頷けます。
一生懸命歩く事20分。しばらく経ってからスマホを見たら約5分で到着との事。実際は5分以上掛かっているのに・・・それ程歩くスピードは遅くないと思っていたのですが・・・さすがグーグル、欧米使用で足の長さまで計算されているんでしょうか?少しショックでした。
結果、杉本寺から歩く事35分位。着きました、安養院 田代寺。
お寺の山門前にお寺の説明・案内文があり安養院は、あの北条政子の法名から名づけられている。の一文で一つ納得いった事があります。故人に付ける戒名ですが「院」を入れると、もの凄く高くなります(値段が)。なぜかと言うと、その故人に寺を一つ背をわせると言う意味があるそうです。この安養院の説明文で1つ賢くなりました。
山門の前や本堂の前にはツツジが植えられており、5月には見ごたえのある花を咲かせるようです。また樹齢約700年とされるマキの木もあり、こちらは天然記念物に指定されているようです。
中はそれ程広くは無いのですが、歴史を感じる本堂と綺麗に手入れされている庭は心を和ませるお寺でした。本堂の裏には北条政子のお墓もあり良縁にご利益があるとされています。このお寺を参拝して、もともと持っていた北条政子のイメージがガラッと変わりました。
ぜひ次はツツジの咲く頃に訪れたいお寺です。
第2番 海雲山 岩殿寺(岩殿観音)
さて次は安養院を出て二番札所 岩殿寺に向かいます。
スマホのマップで調べると、歩いて約25分との事。位置的には逗子駅からすぐの場所に位置しています。
道中、竹林の峠を越し、大きなトンネルを二つ抜けて逗子に向かいました。まもなく13時を迎えようとしている時間で、どこでお昼を取ろうか考えながら岩殿寺に向かいました。住宅地を抜けると奥の方にお寺が見えてきました。
岩殿寺の入り口より山門が見えるのですが、その先の細く急な階段も確認出来ます。遠目から登る事をためらう程の階段。この時、私は究極の選択を迫られています。一旦お寺に行くのを止めてお昼を取るか、とりあえず参拝に向かうか?
結局、先に参拝を選びました。お昼は持っている鞄の中にあります。少し休憩の出来る場所さえあれば食事を取ることが出来ます。住宅とお寺しかないこの地で座れる場所を探す位なら、先にお寺に行ってしまおう!という決断になりました。
意を決して山門をくぐり、果てしなく続く急な階段を上り始めました。
途中「御朱印・納経」という札が見えて、足を止めて覗いてみたらとベンチとテーブルがある休憩スペースが見えました。「仏様のご利益だ!感謝!」と思いながら、仏様そっちのけで先にお昼を頂きました。本当に有難かったです。
腹ごしらえを終えて、更に階段を上り観音堂と奥の院へ!
奥の院の観音さまは、源頼朝を助けたという逸話があるそうです。もともと頼朝公は大変熱心な観音さま推し(信仰)だったそうで、浅草の観音さまにも平家討伐の祈願をしたと言われています。そもそも坂東三十三観音札所を民間に勧めたのは頼朝公とも言われていますからね。武士と仏閣が切っても切れない関係にあるなぁと感じます。
参拝が終わって御朱印を頂きに本堂に行ったら、「こちらに十一面観音さまがいらっしゃいますので、ぜひ上がってご覧ください」と促され、もう一度手を合わせました。位置的に少し見下ろすような体制になって観音さまに申し訳ない気がしましたが、心を込めて拝みました。
私の昼ご飯の内容が半分以上占めていて、何を読まされているのだろう?と感じた方も多いと思います。ごめんなさい。
第4番 海光山 長谷寺(長谷観音)
日本最大級の観音さまに逢いに江ノ電にのって長谷駅に向かいます。長谷寺は個人的に大好きなお寺で過去に何度か訪れた事があります。大変有名なお寺ですしね。
長谷駅の踏切では沢山の方が写真を撮っていました。長谷寺までの道にもカフェやお土産屋さんなどお店が並んでいて、観光スポットにもなっているようです。
長谷寺に着いて入場料を払ってまずは観音堂へ。高さ9.18ⅿの十一面観音菩薩は日本最大級の木彫の仏様です。最初拝見した時は、ドーンと立ってらっしゃる姿に後ずさりしたのを覚えています。広い敷地内には四季折々楽しめる花や植木があり、特に2,500株以上のアジサイは見事で別名「鎌倉のアジサイ寺」とも呼ばれています。
鎌倉の長谷寺は、奈良の長谷寺と深い関係があると言われています。721年に一本の楠から二体の観音さまを彫り上げた後、一体は奈良の長谷寺へもう一体は海に流したそうです。15年の月日が流れて三浦半島に漂着した観音さまが、鎌倉の長谷寺の観音さまと言われているそうです。
観音堂の境内から見える眺望も良いのですが、眺望散策路を登っていきますと鎌倉の街や、その先の由比ヶ浜が一望出来る絶景スポットがあります。アジサイの咲く頃に合わせて訪れたいものです。
最後に・・・
最後まで読んで頂きありがとうございました。
本日の観音巡りは以上です。時間にして6時間位の巡礼でした。鎌倉の街は大変オシャレで散策しているだけでも楽しいものでした。1日で4ヶ所は少し欲張り過ぎたかもしれません。次、鎌倉を訪れる時は贅沢な時間の使い方をしたいと感じました。