さっちょんの部屋

心に残る江戸の観音さま

増上寺・聖観音

江戸三十三観音霊場の中で、特に心に残った観音さまをご紹介します。

初めて涙が出た観音さま・補陀山 長谷寺

昭和新撰江戸三十三観音霊場22番札所∥補陀山長谷寺

別名 麻布大観音と親しめれている観音さまです。高さ約10m、クスノキ1本彫りの立派な観音さまです。これは木造としては日本最大級の観音像だそうです。また日本百観音霊場(西国・坂東・秩父)の土を地中に納めており、この観音さまをお参りすると百観音を参拝した功徳があるとされて、大変有難い観音さまです。

ド迫力! 1本彫りの観音さま!

観音堂に入った瞬間、大きなお姿にビックリしました。しばらく口を開けて眺めていました。堂の中では椅子も用意されていたので参拝の後、座ってお顔を拝見しておりましたが目が離せないのです。大きさの迫力もさることながら、何かを語りかけられている様な 見守られている様な・・・とにかく目を逸らせない時間が続きました。その間、何も考えていません。ただただ無心にお顔を拝見していました。気が付けば涙が出ていました。経験のない感覚なのですが「喜怒哀楽」の感情は一切無いのに、なぜか涙が止まりませんでした。

その日、私の他に男性が参拝をしていました。人前でポロポロ涙を流すなんて私にとって考えられない事なのになぜか涙が出る。でもその涙は嫌なものでは無く、ただ自然に出てくる物なので全く人目は気になりませんでした。

涙が止まってお堂を出た時は、とてもスッキリ 清々しい感覚でした。元々涙を流す行為はストレス発散の効果もあるので、泣き止むとスッキリするのですがモチベーションに繋がる涙とは違って観音さまの慈悲に触れて感動した!の感覚に近いかもしれません。私にとって初めての経験でした。

宇宙を感じたお堂・諸宗山 無縁寺回向院

昭和新撰江戸三十三観音霊場4番札所∥諸宗山無縁寺回向院

両国にあるお寺で、国技館から徒歩5分程の場所に位置します。動物供養も行われており、私が訪れた時も数家族の参拝者がいらっしゃいました。ここの観音さまは馬頭観音菩薩が祀られており、特徴的な観音堂にいらっしゃいます。

これが仏様の世界観!?ドンドン引き込まれる空間

寺内を参拝して寺務所に御朱印をお願いしたら「本堂に阿弥陀如来さまがいらっしゃるので、ぜひお参り下さい。」と勧められてお堂に入りました。

お堂の中は無駄な照明は無く仏様がぼんやりと照らす位の柔らかい照明でした。檀家さんの法要や供養など出来るように椅子が用意されていたので仏様の近い椅子に腰かけました。堂内の壁には天女の彫り物が飾られており微かに香る焼香と照明の効果からか、だんだん広い空間の中で仏様と向き合っている感覚になりました。

椅子から仏様の距離は離れており、はっきりとお姿は見えません。でもすごく近くにも感じるし遠くにも感じる不思議な感覚でした。仏様自身が宇宙の様に広く深い懐で包んでくれる様な、とても居心地の良い空間でした。

お堂に居た時間は恐らく10分程度でしたが、あまり長居も失礼かと思い渋々重い腰を上げました。今思い返しても不思議な感覚です。仏様の穏やかな表情になるのがよく分かります。

優しい気持ちになれた観音さま・東光山 見性院定泉寺

昭和新撰江戸三十三観音霊場9番札所∥東光山見性院定泉寺

文京区本駒込に所在するお寺で、閑静な住宅街の一角にありました。コロナ渦もあって対面で御朱印を頂いたり、お堂に上げてもらったりは出来ない環境下の中、住職さんは快くお堂に案内して下さいました。

住職さんの人柄を感じるお寺でした!

定泉寺では十一面観音菩薩が祀られており、お堂に入って参拝と拝見させて頂きました。参拝者は私しかいなかったので、とても静寂の中で観音さまと逢うことが出来ました。どこのお寺にも言える事ですがパワースポットとされる場所は空気が違うんですよね。私が訪れたのは12月下旬。季節や環境も思いますが空気が澄んでるんですよね。

しばらく座って観音さまを見ていると暖かい気持ちになってきました。そっと寄り添ってくれる、優しく見守ってくれる、そんな穏やかな空気になるんです。子供の頃、自分の話を優しく聞いてくれる母親の様な存在というんでしょうか。唯一無二の味方みたいな存在に感じてきました。トゲトゲが静まって気持ちが満たされてゆく、そんな感覚でした。

御朱印を書き終えた住職さんから声をかけられて玄関に戻ったら、ニコニコしながら「今日は寒いですね」「今年は手荒れが酷く感じます」と気さくに話しかけて下さり、更にホッコリな気分になりました。自然と笑顔になっちゃいますよね。

定泉寺は住職さんのお人柄そのものだと感じました。

生き仏さまがいらっしゃるお寺・来迎山 道往寺

昭和新撰江戸三十三観音霊場27番札所∥来迎山道往寺

港区高輪に所在する道往寺。その歴史は古く、1673年の江戸時代に建立されたのですが、現在はとてもモダンな建物で2013年に建替えたそうです。

東京大空襲で一部被害にあったのですが本堂は免れたそうです。観音堂には三十三体の観音さまが鎮座しており、ガラス超しですが近くで拝見出来る様になっていました。

観音堂

私も将来、あんなお婆ちゃんになりたい!

中に入り御朱印をお願いしたら笑顔の可愛いお婆ちゃまがいらっしゃいました。その方が御朱印を書いてくれたのですが、仏様のような方なのです。

その方は「あなたはしっかり挨拶の出来る方で良いですね」「こうやって訪れた方とお話が出来て私は幸せね」「ここが沢山の方達が集まる事の出来る場所になって嬉しい」と、自分の素直な気持ちをお話し下さいました。90歳を過ぎていらっしゃると話していましたが、御朱印を書く姿はしっかりしていらっしゃいました。力強い字で納経帳に筆を滑らしてました。字は人を表すと言いますが、真っ直ぐで優しい人柄とお見受けしました。

「巡礼の道中、すれ違う人に手を合わせてその人の幸せを願うのですよ」「後ね、急いじゃダメ。ゆっくり巡るのですよ」と、これからの巡礼のアドバイスも頂きました。まさに人間の姿をした観音さまの様でした。

失礼かもしれませんが、こんな風に皆から愛される可愛いお婆ちゃんになりたいな!と思う素敵な方でした。

母親の様な愛情を感じた観音さま・金鶏山 海繋寺真成院

昭和新撰江戸三十三観音霊場18番札所∥金鶏山海繁寺真成院

新宿の四谷駅からほど近い場所にある真成院。「都心のお墓 四谷霊園」で有名なお寺です。大変綺麗なお寺で観音堂は建物の屋上に安置されておりました。

慈悲深いお姿は観音さまそのもの!

お堂の中は、観音さまと祭壇 道内の天井に描かれている絵や彫刻などを、静かにゆっくり拝見しておりました。

屋上にお堂があるせいか、大変明るく温かみを感じました。お線香を上げて鈴(鐘?)を鳴らし、手を合わせながら観音さまを見つめていました。お線香の火がある間、ゆっくりと過ごさせて頂きましたが、しっぽりと心地よい時間を過ごしました。

このお寺でも涙が溢れ出てきました。麻布大観音と同じ涙です。気持ちはすごく穏やかで涙が出ることに不快な気持ちはなく、涙が出るべくして出たような感じです。きっとお母さんに諭されて納得がいった証なのかもしれません。

私は涙の分だけ自分の煩悩が消されているんだと信じています。人間には108つの煩悩を持ち合わせていますからね、まだまだです(笑)

 

最後に・・・

最後まで読んで頂きありがとうございました。

まだまだ感染対策について気を許せない環境を余儀なくされています。落ち着いて来たと思ったら増えだしてきたり、季節を問わず気を許せない状況が2年も続いています。お寺に限らずどの施設でも対策や懸念は多いと思います。

近い将来コロナを気にせず生活が出来る様になったら、また江戸の観音さまに逢いに行こうと思います。それ位充実した観音巡りでした。

 

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satchon
当ブログにご訪問頂きありがとうございます。 自由に生きたい!本気で切実に願うアラフィフオンナ(^‐^)vです。 25年間 大手飲食店で勤務してきた経験や、日常の些細な事を気ままに語る雑記ブログです。

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