昭和新撰江戸三十三観音札所
東京23区内に33カ所+番外編の江戸札所の観音様が祀られています。始まりは江戸時代で現在は1976年に改正された「昭和新撰江戸三十三観音札所」の事を指すようです。半分位の寺院が変わって現代の江戸の札所になっているようです。
何だか難しそうだし、寺院を周って楽しいの?と思っていましたが初めてみるとハマりました。「御朱印帖」に納経の証である御朱印を頂きます。周った寺院で頂くのですが、感覚としてはスタンプラリーに近いです。(お寺さんに怒られますかね?)
上野恩賜公園 清水観音堂
西国三十三観音札所や坂東三十三観音札所の江戸バージョンです。今の様に電車やバスのない時代、自分の足で観音様を巡礼するには余りにも範囲が広い、多くの人が巡礼出来るようにと設けられたのが江戸札所の始まりとされています。
江戸観音の一番札所は皆んな大好き「浅草の観音様」です。国外 海外問わず1年中 観光の場所となってます。また二十一番札所が芝公園にある「増上寺」このお寺は徳川家の菩提寺とされており、徳川将軍の6人のお墓が設けられています。私が訪れた時も多くの外国の方が訪れていました。個人的に好きなお寺は、六番札所の「清水観音堂」です。京都の清水寺と深い繋がりがあり、建物や立地を清水寺を模して建てられたと言われています。境内から見える風景が好きで、不忍池にある弁天堂が神秘的です。
芝公園 増上寺
こんな風に自分の知っている事にリンクさせて調べて行くと面白いものです。
札所巡りを始めた理由
理由は「自信を付けたい!」です。コロナ渦になり、仕事を辞め、果たしてこのままで良いのか?と疑問に感じる事があって、自分を奮い立たせる為に始めました。神社の参拝は自己肯定感を高めるのに良いと信じています。その延長でもあり、自分がこのままで良い!と感じたかったのです。
まずはハードルの低い江戸観音札所を周ってみて、続けられそうかどうか試してみました。十分に歩いて周れる距離で、地図の勉強にもなります。東京都内を行き来するのに電車やバスが便利ですが、歩いてみると距離感や街の色?特徴の違いに気付けて楽しいものでした。例えば湯島は勉学を高める為の街づくりを感じましたし、品川の旧東海道を歩いていると品川宿を感じさせる下町で江戸っ子の粋を感じました。さすが世界の東京です、ビックリ箱の様な都市です!
両国 国技館前
話は逸れますが、もう一つ衝撃を受けたきっかけがあります。お坊さんの修行内容を知った事です。
修行と言えば、座禅をしたり滝に打たれたり、宗派によっては断食したりが思いつきますが、比叡山の修行が想像以上に過酷なものだと知りました。まさに命懸け。俗に言う「娑婆の世界」に慣れ切った私から考えると、かなりの覚悟が必要だと思います。でも修行をしているお坊さん達は大変穏やかな表情で豊かに過ごしていらっしゃいます。そんな過酷な修行を積んでまで仏様に仕えたいと思う、その考えに近づきたいと思いました。
今,世界中を見渡せば私よりも大変な思いをしながら生活をしている人達がいます。私は、安全で安心して毎日を過ごしているのに、それでもまだ「欲」があります。怒りや悔しいといった「煩悩」もあります。そんな自分にウンザリして少しでも穏やかに未来を見据えたいと、強く感じた事が今回の巡礼です。
観音さまって?
仏様には幾つか種類があります。如来様や閻魔様、毘沙門天など沢山の仏様の1つが観音菩薩です。その観音さまにも種類があって千手観音や聖観音など全部で6種類あります。
観音さまは一般的に私達が困っている時に姿を変えて手助けをして下さる、と言われています。お姿は穏やかな綺麗な顔立ちで耳飾りや首飾りを纏っています。実際には像でしか拝見した事はありませんが、とても綺麗で神々しい方だと聞いた事があります。
凄く困っている時に、そっと助けてもらえるとその人に対して「神だ!」と慣用しますが、まさにその人が観音さまなのではないか?と思います。つまりとても身近な存在で、色んな姿を変えて私たちを助けて下さっているんだと思います。
自分の事に置き換えた時、沢山の観音さまに逢いました。身近な所で両親や兄弟、学校の先生や友達、細かい事を上げれば切りがない位です。そんな観音さまに手を合わして感謝する。その気持を具現化した物だと思いました。
巡礼のご利益
実際に三十三観音札所を周り切ったのですが、ご利益があったかどうか?についてですが、私は2つのご利益があったと思います。
まず1つ目ですが形に残っている物はコンプリートした御朱印帳です。そして気持ちが穏やかになりました。考え方も人の目を気にすることなく自分が良いと思うものを素直に従うことが出来るようになりました。単純に年をとっただけかもしれませんが、意地や見栄が減った気がします。今までより楽に生きれるような気がします。これは私にとって大きなご利益です。
2つ目は周っている間は無事に結願したい!という気持ちがあった事です。つまり自分自身の管理を怠らない事なのですが、健康である事、普段はしっかり働く事、全てにおいて無理はしない事、生きていく上で必要な事を当たり前に注意しながら過ごしました。全部で7日間を使って日帰りで巡礼しました。この間、とても充実した日々を過ごしました。何か目的を持つ事は人間にとって大切な事だと感じました。
最後に・・・
最後まで拝読ありがとうございました。
私の尊敬する全ての人達は、穏やかで誰にでも公平に接して、でも一本芯の通った人です。私に足りない物ばかり。でも巡礼をしてみて少しでも近づけたのでは?と感じます。
江戸観音の巡礼を終えた今、次は坂東三十三観音霊場を始めようと思います。新たな発見と自分を強くさせる為に!